ヨワイボクヘのマヨゲン其の2

「何でも詳しいよアピールをやめてみる。」

なんでボクに訊かないんだ?
ボクのほうが頼れるヤツだぞ。
ほら頼れる背中を見せてやるよ。
ボクを頼れよ。何でもボクに訊けよ。ほら、ほら!

あれからしばらくして。
毎日、必死になって記憶したアタマのなかの知識を捲くし立てていると、
心なしか毎回、キミの頬が緩んでいるような気がしてきたんだ。
ボクを嗤っているのか?

知識を並べていないと負ける気がするんだよ。
いや最初から負けているのは承知の上だ。
周囲にどう見えるかだから。
大きな声で叫んでいれば、ボクのほうがよく知っているように見えるだろ。
いや、ボクのほうがよく知っているんだよ。

え。
見えない?
ボクのほうがアイツより知識があるように見えない?

ウソつくな!

 ああ、分かったよ。どうせボクの知識は自己啓発本の受け売りだから。

 自己啓発本を読んでいると「お。オマエは勉強しているな。」と上司に言われたからさ、ついつい読んでしまうんだよ。
そして、自分が偉くなった気がする。
自分が社会に詳しくなった気がする。

 ボクは本当は何も得ていないのか?

 本当の知識は持っていないのか?

 本当の知識って、いったい何なのか?

 それなら……ボクを褒めてくれた上司も、本当は間違っているんじゃないのか?

 あの上司も自己啓発本の知識だけで生きているんじゃないのか?

 とりあえず……。

 なんでも詳しいよアピールはやめてみる。

 そうやって生きてみるよ。


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