人間不信のときのマヨゲン其の4
「妬む人間には構うな。」
機嫌のよいときには訪ねてきて、都合の悪いときには居留守を使う。自分が一番大事で、自分以外の人間には自分のおこぼれでも渡したくはない。そういう人間とは出会いたくないな。
「おい、詩人くん、大丈夫か。」
うん。出演の頻度が高いよね、肉体絞り魔改造バスケ野郎のオカやん。
「ほう。もう堂々と二つ名で呼びかけるか。なかなか無遠慮じゃないか、詩人くん。」
うるさいよ。詩人で悪いか。詩人とは思っていないけど。
「詩人かどうかはどうでもいいが、大丈夫か。」
何がだよ。
「いきなり、実在の人物をディスっているように聞こえるセリフから入っているからよ。」
じ、実在の人物じゃないよ!
「実在の人物をモデルにしたフィクションか。」
違うよ!
「いや、そうだろう。憎しみがこぼれおちているぞ。」
違うって!
「そうか。じゃあ、違うってことにしておこう。」
でもさ、そういう人間はいるよな。
機嫌のよいときには訪ねてきて、都合の悪いときには居留守を使う。自分が一番大事で、自分以外の人間には自分のおこぼれでも渡したくはない。すごくケチなのが透けて見える人間だ。
「オマエ、そいつから妬まれているぞ。」
なんだって?
「オマエはそいつに妬まれている。ほぼ100%。間違いない。」
いや、そんなはずはないよ。だって、ボクには彼から羨ましがられる要素が何もない。
「じゃあ、オマエはそいつを羨ましいと感じたことはあるのか。」
いや、それはない。全くない。最初に会ったときから今まで、一度もない。
自分にないものを持っている人間だと思うし、すごいなと感じることもあるけれど、羨ましいと感じたことは一度もない。
「そうか。そいつがオマエを褒めることはあるのか。」
たまにある。
「そうか。じゃあ、間違いないな。そいつはオマエを妬んでいる。」
ちょっと待て。どういう話の流れだ。
「たぶん、そいつが持っていないものをオマエが持っていて、しかもそいつからはオマエが幸せに見える。そしてそいつは、自分を不幸せだと思っている。」
そうなのか。。。と、言われてもボクにはどうしようもない話だな。特に自分を不幸だと思っているなんて、触りようもない話だ。
「そうだろうな。だから、そいつとは関わるな。少なくとも、自分から連絡はしないほうがいい。連絡があったときだけ、釣り合うと感じる分だけ向き合えばいい。」
と、おっしゃいますと?
「妬む人間に構っていると、時間を削り取られるだけだからな。時間は無限かもしれんが、人生は有限だ。人はいつかは死ぬ。それまでの時間を削り取られるのは勿体ないだろ。」
なるほど。
妬む人間には、構うな。か。
「そうだ。」
分かった。そっちの線で考えてみる。
「それはそうと……。」
なんでしょうか。
「やっぱり実在の人物だったな。」
(-。-)y-゜゜゜
「もうタバコはやめたんだろ。」
(; ・`д・´)う、うるさい! 一旦やめさせてもらいます!
「切れ味ねえな。」
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