前を向きたいときのマヨゲン其の1。

「もう充分、泣いた。」

寒い寒い寒い。芯まで冷えたカラダが震える。寒い寒い寒い。季節のせいだけならまだマシ。冬だから寒いのならまだマシ。

このカラダが温まる日は来るのかな。温まれる日は来るのかな。暖かい日が来たとして、温まる日は来るのかな。

そう思いながら、愚かな自分を責める日々は続いた。

そう思いながら、災難を嘆く日々は続いた。

そう思いながら、ただひたらすら泣く日々は続いた。

けれど、もう充分泣いた。

もう充分、泣いた。

もう充分、泣いただろう。

泣くだけの日々はもう終わる。もう終える。

泣くだけの日々から歩き出す。

泣くだけだった日々を忘れないけれど、もう充分、泣いた。

萎えたかもしれない足に、力を込めてみる。

手を膝にあてて、力を入れてみる。

立ち上がれるかな。

ただ、もう充分、泣いた。


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